ESCO事業とは?導入のメリットや問題点

日々の暮らしや経営活動では様々なエネルギーが使われていますが、ビルや工場では省エネルギー化の意識が高まっています。省エネルギーにすることで企業にかかる膨大なコストをカットすると同時に、環境の保全の貢献にもつながることから、省エネルギーサービスを求める企業やビルオーナーが増えているようです。その省エネルギーサービスを包括的に提供するビジネスとして、ESCO事業が注目されています。

ESCO事業でエネルギーコストが削減できる仕組みや、自治体がESCO事業を導入するにあたっての現状、課題や問題点をご紹介します。

ESCO事業とは

ESCO事業とは、省エネルギーを企業活動として行っていく事業展開を言います。具体的には、省エネルギーにおける包括的なサービスを提供することによって、オフィスビルのオーナーや工場施設に対して、エネルギー削減のために投資を行い削減実績の一部を報酬として受け取ります。

例えば、企業のオーナーに省エネルギーサービスを包括的に提供することもESCO事業となります。ESCO事業の取り組みとしては、省エネルギーを実現するための改修工事が一般的です。ESCO事業を提供する企業などは、企業やオフィスビルのオーナーなどに対して、工場やビルの施設があれば、省エネルギー診断の対象とします。省エネルギー方策を導入する際の設計・施工、導入設備の保守・運転管理、事業資金の調達などの包括的サービスの提供も行うことで、それまでの環境を損なわないまま改修工事を実施し、省エネルギー効果を実現することができるのです。

ESCO事業の概要

ESCO事業は、1996年に資源エネルギー庁の委託受けて委員会が設置されました。そこから1997~1998年にかけて省エネルギーセンターから大々的な調査依頼を引き受けたことをきっかけにESCO事業が本格的に始動します。さらに、1997年に京都議定書が採択されたことも導入のきっかけとなるでしょう。

1999年にはESCO推進協議会が設立し、当初は電力やガス、電機メーカーなどの大手企業16社を中心に活動がスタートしました。そこから省エネの機運が高まって各市場から注目されるようになり、エスコシステムズなど、現在141社もの企業が事業に参加しています。

ESCO事業で提供されるサービスは8つの組み合わせで構成されています。

  • エネルギー診断に基づき省エネルギーを提案
  • 提案を実現するために省エネルギーの設計と施工
  • 導入した設備の保守
  • エネルギー供給に関するサービス提供
  • 事業資金を整える
  • 省エネルギーの効果保証・省エネルギーの効果計測と徹底検証
  • 計測と検証に基づいて改善策の提案

このように、省エネルギーの診断から設計と施工、運転や維持管理、資金調達まで全て一元化して提供しています。また、ESCO事業の特徴は省エネルギー効果の保証を含んだパフォーマンス契約をとることで、顧客の利益を向上させることが可能です。

ESCO事業導入のメリット

ESCO事業を導入することによりどのようなメリットがあるのでしょうか。

低コストで初期導入が可能

省エネルギー改修の資金はESCO事業が提供するため、設備投資に関する負担が発生しません。契約期間中は削減実績を報酬として渡すので無償や安価ではありませんが、契約終了後の削減分は顧客の利益になることがメリットでしょう。また、効果検証や保守、管理までトータルに行ってくれます。

エネルギーコスト削減の効果保証

省エネ化しても効果が実証されないと不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。ESCO事業はエネルギーコストの削減効果に対して効果検証に徹底しています。そして、契約内容にはその効果を保証することも含んでいます。もし設備運転を始めて一定基準の削減効果が得られない場合、ESCO事業者が利益やESCO事業の経費、サービス料を負担することになっているのです。この保証により施設オーナーは安心してサービスを利用することができます。

設備トラブルや障害にも対応

ESCO事業ではサポート体制にも力を入れています。設備のトラブルや故障、障害に対しても迅速に復旧対応をしてくれるので、被害の拡大を抑えることが可能です。

ESCO事業を行っている代表的な業者の1つとして、「ESCO事業本部」などを設けているエスコシステムズなどが挙げられます。各業者によって、特徴や得意とする領域が異なりますので、関心のある方は調べてみると良いでしょう。

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ESCO事業の進化

ESCO事業はここ数年で世界での事業展開方法を参考にした上で進化を続けています。例えば従来のESCO事業では設置した設備はエスコ事業者の所有物という仕様で、ESCO事業者が管理しやすいような仕組みになっていました。しかし、より契約した企業にメリットが発生するように、設備に関しての所有権は利用契約を結んだ企業にあるという仕様に変更され、ESCO事業の契約終了後も自社で管理がしやすいようになったのです。

例外として、一部の契約では従来の所有物の考え方になってはいますが、エスコシステムズの契約はすでに新しい契約方法についての全面的な対応を完了させているので、快適な設備運用ができるようになっています。

ESCO事業の現状と問題点

近年、ESCO事業の重要性やメリットを考え導入する自治体も増えてきています。2016年には大阪府でもESCO事業の提案公募を、都島警察署をはじめとする4署で実施し、優秀な提案者の選出を行っています。その一方で、問題点や課題も存在しています。

中小企業やベンチャー企業が導入しにくい

自治体が育てていくべき地域の中小企業やベンチャー企業がESCO事業に参加しにくいという点が挙げられています。自治体ESCO事業公募参加者は、大手の電機メーカーや電力会社、ガス会社など、大手企業のグループ申請が非常に多いと言われています。というのも、ESCO公募では、提案参加資格要件が定められており、過大な財務安定性とESCO実績が求められているのです。また、公募情報も事前情報を入手しやすいのは中小企業やベンチャー企業ではなく、大手企業ばかりというのも要因の1つになっています。

地域に根差した省エネビジネス展開ができていない

ESCO事業の地域発展が懸念されているという実態もあるのです。多くの建物や施設にESCO手法を基にした省エネ推進をするためには、地域に密着した企業が展開していくことが望ましいとされています。自治体は、ESCOを地域に密着したビジネスとして広げ、増大する業務用施設のエネルギー消費量を減らすための対策を行う必要があるでしょう。

ESCO事業の発展を進めていくには、地球温暖化対策を積極的に行っていくことが大切です。自治体としての能力を最大限に活かし、公平でシンプルな制度を検討し、進めていくことによってより地元の中小企業・ベンチャー企業にESCO事業の担い手を育てることができます。ESCO事業者が、地域に根差した省エネビジネスを展開していけるようになれば、ESCO事業はますます発展していくことでしょう。

ESCO事業提供者側へのメリットが少ない

ESCO事業が理想的であれば、環境負荷を着実に減らすことができるでしょう。しかし、ESCO事業を受けても、事業提供者側へのメリットが少ないことが実態です。日本では、ESCO事業者が省エネルギー技術の提供を行ったり、ESCO事業としての成果を上げたりしても、ユーザー企業が実現したメリットの見返り報酬をほとんど受けることができません。

助成金がもらえない

また、有名になった事業仕分けで省エネに対する補助金が廃止されたり、減額されたりしていることの中に、最近ESCO事業が含まれるようになったことも問題点として考えることができます。ESCO事業を活用した省エネルギー事業を担う中小企業を対象に、事業場等の省エネルギー支援サービス導入事業に関わる助成金がたった2年で終了となり、継続的措置も行われていません。

ESCO事業の導入にあたり

ESCO事業の導入にあたり、まず対象となる施設にエネルギー診断から始まり、この診断に基づき省エネ化するための改修工事の計画が立案されます。

エネルギーコストの削減につながる理由は、その施設が抱える問題に合わせて改修工事が行われるからなのです。しかし、ESCO事業は通常の省エネ改修工事とは異なり、包括的にサービスが提供されます。

省エネ化をするためには太陽光発電やLED照明、監視システムなど設備投資が必要になりますが、これはESCO事業者が賄うので特別資金を用意する必要がありません。また、エネルギーコスト削減の効果についても保証されるため、安心してサービスを利用できます。

ESCO事業の柱となっている点は特定設備に関する費用のほとんどを投資するという点で、ESCO事業者の力があれば簡単に導入できるようになります。設備費用が高く多くの企業で導入している設備として挙げられるのが、太陽光による発電システムで、設置規模によっては自社で必要とされる電力を自給自足で解決した上に、余剰電力を販売する事もできます。設備の投資費用は後に返済する事になるのですが、余剰電力販売の影響で長い目でみれば利益を獲得する事も可能なので各企業が積極的な導入を考えている傾向があります。

ESCO事業の全体的な流れとしては、省エネに関関する設備の導入費用をエスコ事業者で支払うという形になっていますが、一番注目されている点が導入によって発生した不利益に関する点です。通常太陽光発電システムに限らず、自らの資金で導入したシステムは自社で管理や保守を行っていく事になるため全てが自己責任です。しかし、ESCO事業者に設備の保守や管理を委託する事で、契約者が不利益を得てしまった場合はその不利益をESCO事業者が支払うという形になっているのです。

これをパフォーマンス契約と呼んでおり、多くの企業が注目している契約方法の一種となっています。そのため企業力のないESCO事業者ではサービスの維持が難しく、エスコシステムズのような充実したサポート体制が整っている企業ではなければ実現する事ができません。エスコシステムズは、設備・人材共に万全の体制で業務にあたっているといえるため、信頼性が非常に高いと言えるでしょう。エスコシステムズでは、信頼という点の社員教育を徹底して行っているため、長い時間をかけて多くの企業の信頼を勝ち取る事に成功しました。

このように、ESCO事業の運営は莫大な資金が必要になってくるので、ESCO事業者のみで対応する事はできません。そこで信頼関係を構築した上でスポンサーについてもらう事が必要になり、エスコシステムズにも多くのスポンサーが付きESCO事業のサポートを行っています。

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パフォーマンス契約の種類

パフォーマンス契約には2種類あるので、契約の際は注意が必要です。

ギャランティード・セイビングス契約

この契約は資金調達を顧客側が負うことになりますが、ESCO事業が改修の節減額保証と利益補償を行うので、経済的な負担は強いられません。また、一定額をESCO事業に支払い、企画以上の利益であれば原則顧客が受け取る仕組みとなっています。

シェアド・セイビングス契約

この契約はESCO事業が金融機関と契約して資金調達し、顧客は金融負担がかからない契約です。ただし、パフォーマンス補償は修繕前と比較して、増大しない範囲に限定されています。
また、ESCO事業への支払いは原則、節減額の一定割合となっています。

通常の省エネルギー改修は設計、工事、運転は個別契約となるため、効果に対する保証や確認がありません。一方、ESCO事業は効果の保証と確認を含め、診断や改修、運用管理を行うので、安心して導入することができます。ESCO事業は様々な企業が展開しており、今後も各企業や工場の省エネルギー化に貢献していくことでしょう。

ESCO事業は様々な企業が展開しており、今後も各企業や工場の省エネルギー化に貢献していくことでしょう。日本のESCO事業はまだ歴史が浅いことから海外進出するまでに至っていませんが、現在世界各国と競り合うくらいの競争力をつけている段階です。もともと活発な活動を続けてきたアメリカから導入された事業なので、今後の省エネの余地はかなり期待できることでしょう。日本のESCO事業をよく理解していない方のために、「ESCO事業の動向」についてご紹介していきます。

ESCO事業導入の流れ

  1. 対象施設を選択する
  2. ウォークスル―調査を受ける
  3. 予備的プロプロボーザルを確認する
  4. 詳細エネルギー診断を受ける
  5. 包括的改修計画書を確認する
  6. プロジェクト契約の締結
  7. ESCO事業の施行管理開始
  8. 計測・検証、運転管理、保守・点検
  9. 契約期間が終わり次第ESCO事業完了

ESCO事業を導入するかどうかはまず、省エネルギー診断を受けてエネルギーの使用量や管理状況を把握した上で検討することをおすすめします。調査時間は1日あれば終わるので、対象となる施設にESCO事業が必要かどうか診断してもらうようにしましょう。

ESCO事業者と契約して進めるサービス導入のメリット

ESCO事業の導入にあたり、設置規模によっては自分で土地を用意しなくてはなりません。しかし設置面積さえ確保できれば後は、その設置面積に適合したシステムをESCO事業者が開発、設置し、その後の保守作業まで全て行ってもらえます。自身で行う事は、省エネ設備の設置よって、どれだけ省エネが実現できたかという確認程度になります。

通常この作業は自分で設備を用意した場合、その後に必要になる資金の計算や、設備保守をするための専門スタッフの準備も行う事になるため、単純に設備費用だけが発生するというだけではなくなります。特に電力関係の専門スタッフは高度な設備であればあるほど法律の元で専用の登録が必要になってくるので、この手間を抑えるためにも企業運用をする上で、ESCO事業者との契約は必ず必要という認識が、経営者をはじめ多くの方に広まっています。

したがって現在自分が運営している企業をより快適な状態に変化させたい方は、エスコシステムズと契約を行いライフラインのコスト限りなく低く抑えて、自分が展開している事業の成功率を高くする事をお勧めします。

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まとめ

自治体のESCO事業導入における取り組みについての問題点や、求められることなどを紹介してきましたが、いかがでしたか。

ESCO事業を導入するにあたり、ESCO契約に実績がなければ任せられないという仕組みは疑問に感じている方も多いです。業務用施設の膨大なエネルギー消費量を削減させることが早急に求められていると言っても過言ではありません。課題の改善や地元の中小企業やベンチャー企業が積極的に参加しやすい環境へと変えていくことが求められるのではないでしょうか。

また、日本はパリ協定に加入しており、地球温暖化につながる温室効果ガスの排出を削減する取り組みを強化しています。エネルギーコストの削減は無駄なコストを減らすだけではなく、環境にとっても良い影響につながることでしょう。

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