ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?国内、海外における現状

ZEHとは住まいの断熱性や省エネ性能を向上させたり、太陽光発電などでエネルギーを発生させたりすることで、1年間に消費するエネルギー量の収支をプラスマイナス「ゼロ」以下を目指した住宅のことです。「Net Zero Energy House」の頭文字をとってZEH(ゼッチ)と呼ばれています。

ZEHが必要になった背景や、日本や海外でのZEHの現状についてご紹介していきます。

日本におけるZEH政策の背景

住まいにはエアコン、ヒーター、テレビ、照明器具、電子レンジ、洗濯機、給湯機など、ここに挙げきれないほどの機器が設置されています。このような機器を毎日使っていれば当然、エネルギーも大量に消費していくということになるはずです。電気以外にも灯油やガスなどを併用している方もほとんどなのではないでしょうか。

人々が生活していくためにはこのようなエネルギーが必要になります。実際、エネルギー消費量をゼロにするということは日本では不可能なのですが、日本政府は省エネとCO2削減の一環でZEHを推進しているのです。平成28年には「第3回気候変動枠組条約締約国会議」にてZEHの必要性が国の定義で定められました。

また、資源の少ない日本は、エネルギー確保を他の国から輸入してもらっている状況にあるため、エネルギー供給は日本にとって、非常に不安定な位置付けとなっています。2度に渡る石油ショックで限りある資源を大切に使っていこうという省エネ対策を進めてきました。

そんな中で2011年に東日本大震災が発生し、原発事故を招いたことをきっかけにエネルギー政策を大幅に変更することになります。その流れで「エネルギー基本計画」を策定し、エネルギー削減が積極的に行われるようになりました。産業・運輸・業務・家庭の各分野に対してエネルギー削減目標が設定され、住宅に関する規定も盛り込まれたのです。

日本におけるZEHの現状

日本はすでにZEHロードマップを策定しており、2030年までに一次エネルギー消費量をプラスマイナスゼロになる住宅を新築住宅の半数以上にしていくという政策目標を掲げています。そして、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)普及加速事業費補助金」が平成28年度の補正予算で決定され、よりスピーディーに省エネ住宅の建築が推進されるようになりました。

ZEHは一般的な省エネ対策とは異なり、確実性の高い環境対策に繋がります。ZEHの建築を行う人の数が増しただけではなく、ZEHビルダー社の数も年々増えているのが特徴でしょう。石油をはじめとしたエネルギーを使って生活をするのではなく、再生可能エネルギーを活用することにより、地球のためになる暮らしを実現させられます。

ZEHを実現するために具体的にどうする?

住宅は年々進化を遂げており、以前であれば住むことができれば満足できていたのですが、今は快適に暮らせて、なおかつエネルギーにも配慮した住宅でなければなかなか評価されません。地球環境に最大限配慮した住宅づくりが求められています。

ZEHの実現にあたり、断熱性能等を向上、高効率な設備・システムの導入することにより、室内環境の質を維持しながら省エネ化を行います。具体的には以下の各種家庭向けシステムが必要になります。

  • 高断熱窓
  • 高効率給湯
  • 高効率空調

特に、外壁や屋根部分の断熱性能をとことん追い求めることが大切になります。大抵の場合はZEHを実現させているわけではなく、太陽光発電のみを導入や、断熱性能のみに力を入れているケースが多くみられます。しかし、これらのすべての要素を住宅作りの際に取り入れることにより、より環境に配慮した家を建てることができるでしょう。

ZEHの住宅を作る建設会社では一次エネルギー算定プログラムのソフトを使い、1年間のエネルギー消費量を計算してZEHの基準をクリアしていくような設計を作成しています。

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海外におけるZEHの現状

ZEHは日本でも少しずつ普及していますが、世界のZEH現況はどのようになっているのでしょうか。世界各国のZEHの現状について解説していきます。

いち早くZEHに注目したのはイギリス

2006年イギリス政府は、全ての新築住宅を2016年までにZEH化させることを発表しました。2008年には住宅以外も2019年までにZEB化させることを打ち出しています。ロンドン南部では、82の住宅やオフィスなどで構成されたイギリス最大のゼロエネルギーを用いたエコビレッジとしてコミュニティの場となっています。

住宅の窓は南側に設置し太陽光によって明かりを取り入れる工法を採用し、オフィスは反対に住宅の影になる位置に建設し、夏の暑さを遮るよう工夫されているようです。この他にも断熱効果のある断熱材や窓、ドアなどが使用され、再利用水などの省エネ設備も多く取り入れられています。エネルギーは木材チップを使った地域暖房や電力供給に加えて、太陽光発電を設置しエネルギー収支ゼロをクリアしていきます。保育園には野菜菜園を併設したり、自動車シェアなど他にもエコスタイルが持続できそうな方法を実現させたりしているようです。

アメリカではゼロエネルギーなコミュニティを実現

アメリカは2030年までに新築される全てのビルをゼロエネルギー化させる目標を掲げました。さらに2050年までには新築だけにとどまらず中古物件や業務用ビルもゼロエネルギー化にするという内容を公開しています。アメリカやEUでは省エネ基準の見直しが定期的に行われていて、3年ごとに規制を厳しくしています。

カリフォルニア州では2020年までに全ての住宅を、2030年までに全てのビルをゼロエネルギー化させる目標を掲げました。カリフォルニア州にある大学デイビス校ではウエストビレッジの建設が2009年に始まり5MW分の太陽光発電設備を構内に導入しました。更には、太陽光発電システム最大とも言われる16.3MWのソーラーが設置されています。このウエストビレッジが完成すればアメリカ最大規模のネット・ゼロ・エネルギー・コミュニティが実現されることになるでしょう。

世界各国にこのようなZEH産業が普及していけば、エネルギーを使ったら作るといった形の省エネが加速していくことでしょう。

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