カリフォルニアの住宅太陽光の設置義務

アメリカは古くから石炭、天然ガスといった化石燃料、原発の燃料であるウランを保有する資源大国です。資源に恵まれていることで再生可能エネルギーの普及が遅れていましたが、環境に対する意識から州政府がリードして普及が進んでいます。カルフォルニア州では住宅に太陽光発電設備の設置する義務が定められました。住宅太陽光の設置義務の概要や政策の狙いについてご紹介しましょう。

住宅太陽光の設置義務化について

2018年5月、アメリカ・カルフォルニア州のエネルギー委員会が、新築住宅へ太陽光発電の設置を義務化する規制を承認しました。これは全米で初めての政策であり、2020年1月1日以降に建てられる新築住宅には全て太陽光発電設備が設置されます。具体的に対象となるのは新築住宅、または3階建てまでのアパートなど低層集合住宅です。

州政府の公表データによれば、年間15万軒の新築および既存住宅に太陽光発電が設置されています。そのうち、10%にあたる1万5000軒は新築住宅用で普及しているようです。設置義務が本格的にスタートすれば、新築向け市場は現在よりも約5倍も拡大すると予想されています。

省エネを促す取り組みを含んでいる

カルフォルニア州は再生可能エネルギーの普及だけではなく、さらなる省エネを促す狙いも含めて太陽光発電の設置義務化を策定しました。住宅の壁や窓などの断熱性能を高め、他にも高効率の省エネ設備を搭載するといった、省エネ基準も含まれています。高い建物で影になってしまう新築住宅は太陽光発電が難しく、コミュニティーソーラーの開発や、蓄電池の併用といった手法で配慮されるようです。

今回、このような政策を承認した理由は、カルフォルニア州で掲げているZEN(ゼロ・ネット・エネルギー)目標にあります。ZENとは建築物の断熱性や省エネ機能を改善し、太陽光発電などでエネルギーを創り、年間の消費エネルギー量や収支をプラスマイナスゼロにする目標です。

2008年にカルフォルニア州は2020年までに新築住宅用建物を、2030年までに新築商業用建物をZENにするという目標を掲げました。それを実現するために住宅省エネ基準が見直され、太陽光発電の設置が義務化されました。2019年の省エネ基準で新築住宅を建てれば初期コストは上がると試算されています。しかし、エネルギー消費が削減されるので設備導入や住宅ローンが増えても、光熱費の削減で相殺され、お釣りが返ってくると言われています。

まとめ

カルフォルニア州はアメリカの中でも、再生可能エネルギーや省エネに対する意識が強い州と言えるでしょう。また、今回は大量導入の影響で需要ピークとなる夕方以降に出力が急落する「ダックカーブ」現象の悪化を懸念し、蓄電池の活用も義務化に含めました。単純に省エネと自産自消を意識した家ではなく、発電パターンに合わせた電力消費に対応できる建物を目指しています。

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